ニュースイッチ

西松屋が手薄だった小学校高学年向け商品に注力!過去の失敗活かした改善点とは?

西松屋が手薄だった小学校高学年向け商品に注力!過去の失敗活かした改善点とは?

男児用Tシャツ。右端が身長160cmの小学生高学年向け(西松屋チェーン提供)

宣伝強化―認知度向上で販促

西松屋チェーンは2020年2月から小学校の高学年向け商品に力を入れている。これまで低学年以下の衣服や、おむつや粉ミルクといった商品を扱うイメージが強かった。手薄だった高学年向けの品ぞろえを強化し、取りこぼしていた顧客層を開拓することで、競争が激しいアパレル業界を勝ち抜く。

西松屋は過去に高学年向け商品を販売したことがあったが、一部店舗の実験販売にとどまり定着しなかった。池之上靖成執行役員は「身長150センチ―160センチメートル用の服があっても、それに見合った靴下や靴を置いていなかったので、お客さまに買ってもらえなかったのでは」と推測する。一度にまとめ買いをしたい顧客ニーズに対応できなかったことが、定着できなかった理由の一つだとみている。

そうした反省を踏まえ、高学年向けの品ぞろえを増やす。現在はTシャツやパンツなどを担当するアウター商品本部の商品を中心に販売しているが、今後は他部署からも高学年向けの傘や帽子を発売する。また、一部店舗だけではなく、今回は全店で取り扱いを始めたほか、宣伝にも力を入れている。一連の活動の成果で高学年向け商品の認知度は高まってきたという。

郊外のロードサイドを中心に出店する同社は、1店舗当たりの売り場面積の拡大を進めている。そのため高学年向けのラインアップを拡充しても既存商品の数量を減らさずに陳列できるプラスの面が期待できる。その上でさらなる認知度向上と、小さなサイズと同じ“お得感”を消費者にどう訴求するかが販売促進のカギとなる。

同社によると、ある服は2歳くらいが販売のピークで、そこから成長するにつれて販売量が減り、身長140センチメートルくらいになると急激に落ちるという。今後は高学年向け商品の拡充で「これまでの『小学校3年生くらいでさよなら』ではなく、小学校を卒業するまで西松屋がサポートしていきたい」(池之上執行役員)と意気込む。(姫路・村上授)

日刊工業新聞2021年3月5日

編集部のおすすめ