トンネル工事は遠隔操作で。戸田建設が開発の「無人化施工システム」がスゴい!
戸田建設はトンネル工事での鋼製支保工建て込み時の切羽(掘削面)無人化施工システム開発に向けた組み立て実験を、同社筑波技術研究所の構造・施工実験棟で行い、性能を確認した。同システムは、切羽正面からのボルト締め付け構造などを採用することにより、オペレーター1人の遠隔操作で鋼製支保工の建て込み、ボルトの締め付け、位置決めを可能とする切羽無人化施工の実現を目指す。トンネル工事の安全性向上と省人化による生産性向上に寄与する。
同システムでは従来の5倍となる5メートルの把持装置に位置決め測定用プリズムを設置し、後方の自動追尾式トータルステーションで測定した鋼製支保工の位置をモニタリングしながら、支保工を微調整する高性能エレクターで、設計位置に建て込むことができる。また、左右のH形鋼の継ぎ手部に、せん断ピン付きみぞ形鋼を配置し、前後方向で重ね合わせ、切羽正面からボルトの締め付け作業ができる構造とした。
同社は組み立て実験からのデータを基に、現場適用のためのシステムを確立し、2021年度から現場試験施工を積み重ねた上で、切羽無人化施工システムの完成を目指す。
日刊工業新聞2020年2月15日