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ダイナパックが設備投資に60億円、「プラスチックから紙」が追い風に

ダイナパックが設備投資に60億円、「プラスチックから紙」が追い風に

パルプモールドは、環境意識向上によるプラスチックから紙への需要転換を捉えて市場開拓する

ダイナパックは、2021年から3カ年の設備投資に60億円以上を充てる。海外事業やパルプモールド生産の強化、デジタル技術活用、脱炭素化を進める。設備投資額は18―20年に比べて3割以上増える見込みだ。21―23年の新たな中期経営計画で定めたもので、23年12月期に売上高566億円(20年12月期比8・3%増)、営業利益12億円(同65・5%増)を目指す。

海外は中国やベトナム、マレーシア、フィリピンなど段ボール製品などの需要増が見込めるアジアに工場があり、新工場の建設を含めて設備投資で事業拡大を図る。ベトナムやマレーシアでは、パルプモールドを用いた工業用品の設備増強を進めている。

パルプモールドは、環境意識向上によるプラスチックから紙への需要転換を捉えて市場開拓する。パルプモールドで緩衝材や卵パックなどを製造する技術を応用し、食品用容器やたばこ関連製品などを企画開発しており、用途拡大を図る。

デジタル技術活用では段ボール生産の技術革新を図り、生産性の向上やコスト低減につなげる。

杉山喜久雄社長は積極的な設備投資について「新型コロナウイルス感染症影響で失った需要を3年間で取り戻す」と説明する。脱炭素化は「環境対応なしでは今後の事業はあり得ない」(同)とし、二酸化炭素(CO2)排出量削減などの環境負荷軽減を進める。当面は同社の事業による環境負荷の低減、温暖化効果ガス排出量の削減量などを見える化し、評価できる仕組みを整える。

日刊工業新聞2020年2月12日

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