専門は中国古代史で総務省出身。DeNAが10年ぶりに社長交代
抜擢された岡村取締役はどんな人?
ディー・エヌ・エー(DeNA)は9日、4月1日付で岡村信悟取締役(51、写真)が社長に昇格する人事を発表した。守安功社長(47)は代表権のない取締役に就き、6月の株主総会後に取締役からも退く。南場智子会長(58)は留任する。
同社の社長交代は約10年ぶり。岡村氏はスポーツ事業本部本部長、ゲーム・エンターテインメント事業本部副本部長などを歴任した。同日の会見で同氏は「人工知能(AI)などを活用し、ユニークな事業を展開する」と抱負を述べた。
【略歴】岡村信悟氏 95年(平7)東大院人文科学研究科修士修了、同年郵政省(現総務省)入省。16年横浜DeNAベイスターズ社長。17年DeNA執行役員、19年取締役兼執行役員最高執行責任者(COO)。東京都出身。
人の力引き出すリーダー
総務省から2016年にDeNAに転じた。傘下の横浜DeNAベイスターズ、横浜スタジアムの両社トップを務め球団・球場の一体経営を軌道に乗せた。20年はコロナ禍でプロ野球も開幕延長など厳しい状況に陥った。しかし、だからこそ「来シーズン以降も地元に野球文化を届けるんだと一丸になれた」と手応えを語る。
逆風下でも前を向く岡村氏を守安功社長は「自分とはマネジメントスタイルが異なり、周りの意見や、やる気を引き出せるタイプ」と評価する。自身も「(自分が成果を上げること以上に)人の力を引き出すことに最大の関心がある」と話す。社員の能力を伸ばしながら、ゲームやライブストリーミング、ヘルスケアなどの事業拡大に挑む。
大学院では中国の古代史を専攻し、趣味は読書。好きな言葉は「柳は緑、花は紅」。自然体で重責に臨む。(苦瓜朋子)
日刊工業新聞2021年2月10日