ジェイテクトが歯車用治具を自動設計、スカイビング加工機で早期量産支援
ジェイテクトは自社製ギアスカイビング加工機用に、加工対象物(ワーク)の形状や材質などの仕様を入力するだけで最適な量産用治具を自動で設計できるシステムを開発し運用を始めた。コンピューター上の加工シミュレーションで加工機の性能を確認するシステムの機能を拡張した。実際の加工テスト後に始めていた治具製作を短納期化し、顧客の早期の量産開始を支援する。
歯車を加工するギアスカイビング加工機は、ワークである歯車の形状に合わせて専用の工具や治具を用いる。加工機の出荷前に性能を確認する加工テストでは、特注の工具や治具の製作に2カ月以上かかり、加工テストの結果で修正が入ると、出荷までにさらに長期間を要していた。
この期間短縮のため、ジェイテクトは先に、ワークの仕様から工具を自動設計しコンピューター上で加工テストをシミュレーションするシステムを開発。商談用に2020年夏に運用を始めた。同システムは商談から契約、出荷までの期間を短縮でき、需要変動に即応したいユーザーから高い評価を得ている。
ただ、いまだ実際の加工テストを求めるユーザーも多い。加工テスト用には作業者が工具を使い手作業でワークを固定する簡易式治具が一般的。ワークを自動で固定・解放する量産用治具は別の設計が必要だった。新自動設計機能は加工テスト用と量産用の治具がともに自動で設計でき、加工テストで量産用治具の品質確認もできる。
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