ハウス食品子会社になる「ココイチ」創業者の思い
食堂業に「執着一切ない」
「CoCo壱番屋」を展開する壱番屋が、株式公開買い付け(TOB)によりハウス食品グループ本社の連結子会社入りすることになった。壱番屋によると、今回の買収話の発端は、「創業者から、所有株式を売却したいという話をいただいた」(阪口裕司常務)ことだったという。
壱番屋の創業者である宗次徳二氏(現・創業者特別顧問)は以前から社会貢献活動に熱心なことで知られ、現在は名古屋市中区でクラシック専門のコンサート会場「宗次ホール」を運営する。宗次徳二氏ら創業家は、所有株式の公開買い付けに応募することに同意しており、「ココイチ」は創業家一族による経営から完全に離脱することになる。
日刊工業新聞社は2010年5月、モノづくり推進会議や三重県と共催で「地域活性化リレーシンポジウムin津」を開き、宗次徳二氏に講演いただいた。ニュースイッチでは、当時の講演を詳細にまとめた日刊工業新聞記事を再掲し、宗次氏の「経営哲学」に迫りたい。
25歳で妻とともに喫茶店経営を始めて飲食業界の魅力にとりつかれ、29歳の時に「ココイチ」の1号店を名古屋市の外れに開いた。以来、32年余りで店舗数は1222を数えるに至った。私ども夫婦はただただ運が良かったとしか言いようがない。
食堂業は薄利多売商法ができない。心を込めてこつこつと毎日やり続ければ、売り上げのグラフは右肩上がりになる。時流は関係ないし、キャンペーンやポイントサービス、値下げなど一切してこなかった。
過去を振り返ると、今日ほど厳しい時はない。おそらく多くの中小・零細企業の経営者がそう思っていると思う。なかなか物が売れないし、以前のような利益率も確保できない。ただ、商売を続けていくのであれば、今日ほど楽な日はないとも言える。裏返せば、それくらい明日には何が起こるかわからないということだ。
要はトップの姿勢だ。経営者自らが変わる。率先垂範、現場主義、お客さま第一主義。目先の損得を二の次に考え、自分の身は仕事にささげるという気持ちでないと、なかなか勝ち残れない。
壱番屋の創業者である宗次徳二氏(現・創業者特別顧問)は以前から社会貢献活動に熱心なことで知られ、現在は名古屋市中区でクラシック専門のコンサート会場「宗次ホール」を運営する。宗次徳二氏ら創業家は、所有株式の公開買い付けに応募することに同意しており、「ココイチ」は創業家一族による経営から完全に離脱することになる。
日刊工業新聞社は2010年5月、モノづくり推進会議や三重県と共催で「地域活性化リレーシンポジウムin津」を開き、宗次徳二氏に講演いただいた。ニュースイッチでは、当時の講演を詳細にまとめた日刊工業新聞記事を再掲し、宗次氏の「経営哲学」に迫りたい。
「要はトップの姿勢」 ~~宗次氏講演「ここ一番で勝つ経営」から
25歳で妻とともに喫茶店経営を始めて飲食業界の魅力にとりつかれ、29歳の時に「ココイチ」の1号店を名古屋市の外れに開いた。以来、32年余りで店舗数は1222を数えるに至った。私ども夫婦はただただ運が良かったとしか言いようがない。
食堂業は薄利多売商法ができない。心を込めてこつこつと毎日やり続ければ、売り上げのグラフは右肩上がりになる。時流は関係ないし、キャンペーンやポイントサービス、値下げなど一切してこなかった。
過去を振り返ると、今日ほど厳しい時はない。おそらく多くの中小・零細企業の経営者がそう思っていると思う。なかなか物が売れないし、以前のような利益率も確保できない。ただ、商売を続けていくのであれば、今日ほど楽な日はないとも言える。裏返せば、それくらい明日には何が起こるかわからないということだ。
要はトップの姿勢だ。経営者自らが変わる。率先垂範、現場主義、お客さま第一主義。目先の損得を二の次に考え、自分の身は仕事にささげるという気持ちでないと、なかなか勝ち残れない。
「笑顔で迎え、心で拍手」
日刊工業新聞 2010年6月22日付の紙面を再編集