ホンダがAIで聴覚障がいの従業員とコミュニケーション支援
ホンダは21日、独自の人工知能(AI)技術を備えた音声認識システムを活用し、聴覚障がいのある従業員と健聴者の双方コミュニケーションを円滑にする社内向けの取り組みを始めたと発表した。マイクで集音した発話内容をAI音声認識システムで即時テキスト変換し、タブレットやモニターなどに表示する。聴覚障がい者はキーボードや手書きで入力し意見を画面表示できる。
9月から本格運用を開始し、グループの各事業所などに導入している。速度と正確性を重視した二つの音声認識エンジンを使用。同社の調査では単語の誤り率は9・0%という。業務に関わる用語を学習させるなどチューニングを施し、社内の専門用語も高い精度で変換できる。オンライン会議にも対応した。
聴覚障がい者が会議の流れを把握してタイムリーに発言でき、チームの一体感やモチベーションの向上に寄与している。筆談の負荷が減り会議時間も2―3割短縮したという。
日刊工業新聞2020年12月22日