「リコー×和える」が保育園・幼稚園で伝統文化学習、写真販売の収益で
リコーは、和(あ)える(東京都品川区)と連携して2021年1月初旬から、リコーのオンライン写真販売サービスを利用する保育園や幼稚園に伝統文化の学習を提供する。写真販売の収益の一部を学習会の開催費用に充てるため、園は追加で予算を確保せずに運営できる。人材不足などで教育メニューを増やせない園でも、写真販売を通じて伝統文化を学ぶ機会をつくれる。
リコーの写真販売サービスは「こども成長アルバムそだちえ」。保育園や幼稚園の職員が撮影した写真をオンラインで保護者に公開し、販売ができる。先生は見本の印刷や掲示、代金回収など写真販売に関連する業務を省ける。全国で数百の園が利用する。
園は保護者が購入した写真代の一部を積み立て、和えるの教育プログラム「aeru school(アエルスクール)」の開催費にする。アエルスクールは各地の伝統産業を教材とした幼児向けの体験型学習。一部の企業や自治体と取り組んで開いている。
連携によってリコーは写真販売サービスを利用する園を教育面からも支援でき、和えるもアエルスクールを開く園を増やせる。園も職員の負担を増やさずに伝統文化を学ぶ場を子どもに提供できる。両社は教育の格差解消を掲げる国連の持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する活動に位置づける。
和えるは伝統を継承した商品を企画・販売する。同社の矢島里佳社長によると、幼少期に伝統に触れると考える力や地域への愛着の育み、自己肯定感を向上できるという。
日刊工業新聞2020年12月18日