EV充電にダイナミックプライシング、日産の狙い
日産自動車はENEOSと協力して、日産の電気自動車(EV)「リーフ=写真」を利用し需給に応じて電力料金を変動させる「ダイナミックプライシング」による実証事業に乗り出した。福岡県と長崎県で所定の条件を満たしたリーフ所有者の募集を始めた。10―14時に充電した場合、通常より割安な電気料金プランを提供する。
実証期間は11月―2021年2月。対象地域は太陽光発電の導入が他地域と比べ進む九州エリア内の福岡県と長崎県。実証で充電データから時間別の電気料金がEV利用者の充電行動に及ぼす影響を分析・検証する。
EVが持つ大容量電池は、社会の電力エネルギーとつなげることで、再生可能エネルギーの利用や電力需要のピークシフトによる系統の安定化などに貢献できる。実証事業により系統安定化を保ちながら、電力の需給調整力に対するEVの貢献度を実証する。
日産は10年にリーフを量産化し、これまでに世界で約50万台、日本で約14万台販売した。またEVの活用を通じて自治体や企業と協力し、防災や温暖化対策などの社会課題の解決を目指す日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」活動にも取り組んでいる。
日刊工業新聞2020年11月16日