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造船・重機の業績は最悪期から脱出、大手5社が見据える今後は?

造船・重機大手5社の2020年4―9月期連結決算が10日出そろい、3社が新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業の持ち直しを受け、21年3月期連結業績予想を修正した。IHIは資源・エネルギー・環境と社会基盤・海洋の両分野で収益を確保し、通期で営業黒字を見込む。住友重機械工業は量産系事業の回復を踏まえて上方修正した。感染再拡大による業績下振れ懸念が残るが、最悪期を脱出しつつある。

各社はコロナ禍で4―6月期に業績が落ち込んだものの、悪化に歯止めがかかってきている。IHIは未定だった業績予想を10日公表し、販売管理費の低減などを進め、民間向け航空エンジンの減益に対応する方針を示した。4―9月期は営業赤字だったが通期では黒字化を目指す。

量産品の需要が想定以上に回復しているのも、業績を下支えしている。例えば中国の建設機械市場が好転しており、住重は売上高と営業、経常、当期の各利益を上方修正した。

川崎重工業の山本克也副社長は「中国の建機向け油圧機器の販売が想定を上回っている」と説明する。同社も営業損益の赤字幅が8月時点から100億円縮小し、200億円の赤字に修正した。

三菱重工業の小沢寿人取締役執行役員も「(物流機器などの)中量産品事業は市況の回復が見られる」と分析する。ただ感染拡大のリスクが高まっており、厳しい経営環境が当面続く見込みだ。

日刊工業新聞2020年11月11日

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