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ファナック社長に直撃インタビュー!オンライン展示会にかける思いとは?

新機種、使いやすさ重視

―展示会ではどんなテーマを掲げますか。

「引き続き使いやすさを重視する。高速・高精度・高品位などを追求する姿勢は変わらないが、多くのお客さまが技術の価値を容易に得られるようにするのが大事だ。高い性能を持っていても使いにくければ意味がない」

―工場自動化(FA)関連では工作機械メーカーやユーザー向けに多数の新機種・新機能を出展します。

「ハイエンドコンピューター数値制御(CNC)装置『ファナックシリーズ30i―モデルBプラス』の性能を向上した高速モデルを出す。ハードウエアの性能向上と新ソフトウエアにより従来比2倍の微小線分プログラム処理能力を実現した。金型加工や同時5軸加工などの加工時間を大幅に短縮する。また、工作機械とロボットを組み合わせたいという要望に応える『CNC―QSSR』では、パソコン上でロボットの経路を自動生成するソフト『QSSRオートパス』を紹介する。ロボットの教示は難しいという声もある。このような機能で導入ハードルや工数を下げたい」

―産業用ロボット関連製品は。

「通い箱にバラバラに入った機械加工部品の3次元取り出しで新機能を出展する。部品の特徴を3次元CADデータから簡単に取り込み、パソコン画面で部品のつかみ方などを容易に指示できる。ビジョンの設定やロボットの教示作業をより簡単にできる」

―小型切削加工機などのロボマシンでは初出展となる製品が多くあります。

「例えば最新CNC『シリーズ31i―モデルBプラス』を搭載したロボドリル『α―DiBプラス』を紹介する。サイクルタイムや加工性能のさらなる向上、各種ネットワーク機能の標準対応を実現した」

―IoT(モノのインターネット)基盤「フィールドシステム」も注目されています。

「もっと簡単に見える化や分析をしたいという要望に対応する新たな『支援ツール』を提供する。警告一覧やデータ可視化などの標準のテンプレートを用意し、お客さま自身がカスタマイズできる」

*取材はオンラインで実施。写真は2019年9月に撮影したものを使用

【記者の目/技術サイト、情報発信に工夫】

毎春開催する自社展が新型コロナウイルス感染症の影響で中止になった。そのためオンラインではあるが、JIMTOFでは多数の新製品・機能を出展する。9月に技術情報配信サイトを開設。展示会から自社サイトへ誘導し、より詳しい製品説明などを提供する。ウィズコロナ時代の製品紹介手法を模索している。(川口拓洋)
日刊工業新聞2020年10月23日

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