【動画アリ】万博記念公園で走る次世代型モビリティー。風景も見られる透明ディスプレーの解説が楽しい
三井物産は21日、パナソニックや凸版印刷などと共同で大阪府吹田市の万博記念公園における次世代型モビリティーサービスの実証実験を公開した。パナソニックが開発中の透明有機ELディスプレーを使った案内機能を搭載するなど移動空間の付加価値を高めたのが特徴。同モビリティーに一般ユーザーに搭乗してもらい課題などを検証する。2025年の大阪・関西万博に向け、ビジネス創出の機会を探る。
実証実験は23日から11月16日にかけて合計16日間実施。仏ナビヤ製の小型自動運転電気自動車(EV)を使って公園内を巡回する。車両の窓ガラスにパナソニック製の透明有機ディスプレーを搭載。窓の外に見える風景とアバターの映像を重ね合わせて表示することで、効果的なガイダンスを実現したという。
パナソニックは乗客の表情を人工知能(AI)で分析する技術も提供。これまでスポーツスタジアム向けで実績を積んできた同技術を、初めてモビリティー向けにも活用する。取得データをサービス改善に反映する。
三井物産関西支社長の堀晋一執行役員は「しっかりとデータ分析・検証した上で新しいコンテンツやサービスをつくり、25年の大阪・関西万博につながる展開を目指したい」と期待を込めた。
また吹田市内ではパナソニックが、次世代技術を活用した「Suitaサステイナブル・スマートタウン(SST)」の開発を進めている。パナソニックの井戸正弘ビジネスソリューション本部長は「遊休地というフィールドをうまく活用していく」とし、SuitaSST内で自動運転サービスの実証実験を進める考えを示した。
パナソニックは透明有機ELディスプレーを近く製品化予定。家庭用テレビや商業施設の案内表示などの用途で提案する。
日刊工業新聞2020年10月22日