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コンタクトレンズのメニコンが禁煙を事業化したワケ

コンタクトレンズのメニコンが禁煙を事業化したワケ

たばこの煙が不快だと伝えるためのグッズ

メニコンは禁煙運動を2016年から事業として推進している。取引先に対し来社1時間前からの禁煙を要請しているほか、企業向けの禁煙啓発講演を実施している。コンタクトレンズ(CL)を通じて人々への貢献を続けてきた同社。田中英成社長は「五感に貢献するサービス」を掲げ、禁煙事業をその布石としている。禁煙運動を展開する理由や、企業の社会的責任(CSR)の意義について田中社長に聞いた。(名古屋・永原尚大)

―禁煙運動を推進する理由は何ですか。

「我々は目の健康を訴えているのに、たばこで健康の害を被っていたら本末転倒。そうした理由から社員に対して労働時間内は禁煙すると決めたのがきっかけだ。今では社員の喫煙率は5.4%。18年の日本人の喫煙率17.8%より低い。一方で、CL利用者にも禁煙を訴えかけていきたい。なぜなら、たばこの害として白内障や加齢黄斑変性など目の病気を引き起こす可能性があるからだ。目の健康の害になる原因を取り除くことは、我々の社会的な責任と考えている」

―禁煙を事業化した理由を教えて下さい。

「本気度を示すためだ。事業としてはもうからない。だが、『我々は本気で取り組んでいく』と社員や社会に伝えていくため事業化した。とはいえ、禁煙を訴えるだけが目的ではない。我々はCLから派生する事業として、五感に対しサービス展開することを目的にする。禁煙運動はその布石となるだろう」

―具体的な事業の中身を挙げて下さい。

「社内に専門部署を立ち上げ、企業向け禁煙啓発の講演や学術的なデータ発表などを行っている。禁煙グッズも開発している。19年に飲食店などにたばこの煙が不快だと伝えるためのアイテム『禁煙しても困りゃせん!』を発売した。販売数は少ないが、禁煙を広げていくことが大事だ」

―今後のCSR活動の方針は。

「CSRという言葉にとらわれるつもりはない。大事なことはメニコンで働く従業員が誇りをもって働くことができるかだ。CL事業から派生して何ができるかを社員と一緒に考えていきたい」

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