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住み込みか通勤管理か、新型コロナでマンション管理体制にも陰り

居住するマンションの管理組合からアンケートへの回答を求められた。常駐の管理員が定年退職するため、住み込み管理を続けるか、通勤管理に切り替えるか、今後の体制について希望を聞きたいという。

入居して20年近く、住み込み管理が当たり前になっていた。しかし、通勤管理に比べて、志望する人がきわめて少なく、管理会社は人材確保に苦労している。多くのマンションに共通する問題だ。

契約上の勤務時間は決まっていても、深夜早朝や休日に水漏れ、急病人などの緊急事態が発生すれば、対応を求められなど、負担も大きい。そこに新型コロナ感染症が加わった。ゴミ出しなど感染リスクに直面する業務もあり、なり手不足に拍車がかかった。

通勤管理の方が管理業務費は削減できる。管理員の居室の公共料金が不要になり、スペースも有効利用できる。体制変更によるメリットも多い。

通勤でも清掃や植栽の管理はできるが、時間外や緊急時に常駐の管理員が存在する安心感は金額に換算できるものではない。やはり住み込み管理を希望する声は多いだろう。なんとか引き受けてもらえる方が出てくればいいが。コロナ禍はこんなところにも影響を及ぼしている。

日刊工業新聞2020年10月16日

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