エプソン、インクジェットプリンターで攻める!ヘッドの新工場へ投資

大容量インクタンクモデルの需要増に対応。新興国の用途にも変化が

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秋田エプソン内に建設予定の新工場の完成イメージ
 セイコーエプソンは21日、秋田県湯沢市にインクジェットプリンター用ヘッドの工場を新設すると発表した。投資額は約34億円。11月に着工し、2016年秋に稼働を始める。大容量インクタンクモデルのプリンターや、オフィス向けプリンターの需要増に対応していく。将来的にはプリンターヘッドの生産能力を現状比3倍に引き上げる。

 新工場はプリンターヘッド部品の製造や組み立て、超精密部品の製造などを手がけている秋田エプソン(秋田県湯沢市)の敷地内に建設する。2階建てで、延べ床面積は1万528平方メートル。当初人員として、30人以上を新規雇用する見通しだ。

 新工場では印刷速度や解像度を高めた新型ヘッド「プレシジョンコア」や、従来型のヘッドを生産する。インク容量を大きくして印刷コストを下げた大容量インクタンクモデルは新興国を中心に好調で、14年度の販売数は前年度比40%伸びた。欧州など先進国での販売も始めている。

 また、定額制サービスに対応した、インクジェット複合機にも力を入れている。新工場の稼働により、これら製品の需要増に対応する。

インド市場攻略へ、レーザー市場切り崩し


日刊工業新聞2015年9月8日付


 セイコーエプソンがインド市場の攻略に乗り出す。インドを中心とした新興国を含め、全社のブランド戦略として30億円を投じる。印市場では、インク交換頻度を削減できる大容量インクタンクモデルの販売が好調に推移している。このタイミングでエプソンブランドの認知度を高め、成長市場の需要を取り込む。2015年3月期に約200億円だった印の売上高を、1―2年で300億円規模に引き上げる計画だ。

 セイコーエプソンは新聞や雑誌、屋外看板、ラッピングカーといった宣伝活動や、ブランドを推進するアンバサダー(親善大使)の選定などを行う。また、中小企業を対象にした製品体験会などを通じ、印市場にブランドの浸透を図る。

 エプソンは印のインクジェットプリンター市場で、金額ベースで首位となる44%のシェアを抱える。ただ、プリンター市場全体で見ると、インクジェット市場は台数ベースで120万台。総台数310万台のうち、半分以上の160万台をレーザープリンターが占める。事業の拡大にはレーザー市場の切り崩しが必須だ。

 これまでインクジェットはレーザーよりも画質や印刷速度で劣り、ビジネス用途には適さないとされてきた。しかし、最近になって大容量インクタンクモデルのビジネス用途で採用が増加。「ブランド投資」により、さらに顧客接点を増やして認知度を高め、レーザーからインクジェットへの置き換えを狙う。

 印を統括するエプソン・インディアは過去3年間、年率20%で売り上げを伸ばしている。印は現在、経済政策を強化しており、今後も経済成長が見込める有望市場。ブランド投資を含めた販売戦略を強化し、5年以内には同500億円の到達も視野に入れる。

日刊工業新聞2015年10月22日 電機・電子部品面

COMMENT

明豊
執行役員デジタルメディア事業担当 DX統括

メガネ型のウエアラブルといい、最近のエプソンは攻めている印象がある。自分が少し見ていた時は半導体や液晶などのデバイスの構造改革に追われていた時期。自社製品のプリンターでしっかり収益を作り上げた。そのベースには技術・製品開発力がある。碓井社長はモノづくりにおいて本社が諏訪市(長野県)にある利点を口にする。もちろん精密機械のメッカでもあるが、例えば電子部品でも京都、自動車でも中部と地方都市に有力がメーカーが多い。一方で大阪はぱっとしない。地方のそれぞれの文化を改めて検証してみよう。

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