歯医者なんて絶対嫌!子供の動きをリアルに再現した「ペディアロイド」
価格は2000万円。テムザックが開発
テムザック(福岡県宗像市、高本陽一社長)は、歯科医の研修用に、小児患者の動きをリアルに再現できる小児患者型ロボット「ペディアロイド=写真」を開発したと発表した。小児患者特有のジタバタ暴れたり、顔色や瞳孔が変化する様子を、空気シリンダーや液晶、フルカラーの発光ダイオード(LED)などで再現した。消費税抜きの価格は2000万円程度。福岡歯科大学病院で研修用にすでに使用中で、国内外合計で50台の販売を目指す。
ロボットの大きさは身長110センチメートル、体重23キログラムと、5―6歳の子どもを想定した。外部素材はシリコーン製で顔や口、舌、眼球、瞳孔、手足、胸など24カ所の自由度を持つ。歯科医をこわがり体をよじるなどの動きに加え、治療の痛みに悲鳴を上げる、首をふって拒絶する動きをリアルに再現。胸部分にはスピーカーをつけ、脈拍や心音を研修医が確認できるようにするなど細部にこだわった。
小児患者は大人と違い痛みを正確に伝えたりできず、治療中に体調が急変することも多い。対応法は座学では指導しているが指導に限界があったという。日本のほか米国やサウジアラビア、タイなど外国へも拡販する。サウジやインドネシアは若年人口が多く「小児患者ロボの需要は多いとみている」(高本社長)。
日刊工業新聞2020年10月9日