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荷重センサーで体動を感知、ミネベアミツミが介護・医療へ販売

荷重センサーで体動を感知、ミネベアミツミが介護・医療へ販売

脚下にセンサーを設置したベッド

ミネベアミツミはベアリングやモーターなど各種部品の生産・販売を主軸にする中、これらを活用した新たなビジネスモデルを模索している。その中の一つが自社センサーを使ったベッドセンサーシステム。2018年からリコーと介護施設向けに販売を開始。医療・ヘルスケア分野での顧客獲得を目指す。

同システムはベッドの四つの脚下に専用の荷重センサーを設置し、ベッド上にいる人の状態を検知する。人体に触れず、機器の存在を気にすることなく「動き出し」や「起き上がり」「端座位」「離床」など八つの行動情報が収集できる。収集したデータは、介護施設内の事務室などにあるスマートフォンやパソコンなどの画面上で確認できる。

介護施設の利用者がベッドから転倒や転落することを未然に防ぐとともに、遠隔で状態が把握できるため、介護者の業務負荷軽減にもつながる。医療現場への利用も視野に入れており、千葉大学などと共同研究を行っている。呼吸・心拍活動に伴う体動を基にした荷重変位推移を表した情報をセンシングする。このデータを分析することで、発症予防などに活用する計画だ。

また、21年からは海外展開を開始する。まずは介護施設向けで欧米市場に投入する。それぞれの地域の習慣などに合わせ、ローカライズして提供する。介護施設を利用する人ごとの離床タイミングや生活リズムを把握し、最適な介護ケアを支援する。今後、海外では遠隔介護や遠隔医療の普及が進むことを予測し、需要が十分あると判断した。同社は医療向けの海外展開も模索しており、欧州の教育機関とともに実証を行っている。

現在、同システムは業務用のみの扱いとなっている。だが、最終的には「個人向けにも展開していきたい」(貝沼由久会長兼社長)としている。ベッドセンサーを入り口に医療・ヘルスケア分野を開拓し、部品事業での新たな顧客獲得にもつなげたい考えだ。(編集委員・松沢紗枝)

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