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携帯料金議論スタート。有識者会議の「有識」な意見は?

 総務省は19日、安倍晋三首相の携帯電話料金の引き下げ要請を受け、料金プランのあり方などを問う有識者会議を設置、初会合を開いた。家計支出に占める携帯料金の割合が上昇しているためで、政府としては通信料の負担を軽減し、消費の拡大につなげたい考え。

 会議では利用しやすい料金プランなど識者からさまざまな意見が飛び交った。年内に一定の結論を出す予定。冒頭、太田直樹総務大臣補佐官は議論のポイントについて「利用者の目線で議論を徹底してほしい」と指摘した上で、利用者にとっての「透明性と公平性」を軸にした議論に期待を寄せた。

 会議では、野村総合研究所の北俊一上席コンサルタントが「ユーザー間の不公平性の是正がポイント」と口火を切った。スマートフォンの端末代で他社から乗り換えるユーザーに対し、大幅な値引きを実施しており、その原資が長期利用ユーザーを含む全ユーザーの通信料から負担。その不公平感の解消とともに、この多額の端末販売奨励金が仮想移動体サービス事業者(MVNO)の普及を阻害していると述べた。

 その上で、参考として端末と回線の分離や一体化による端末代、通信料金、MVNOへの影響などを説明。さらに多額の販売奨励金の適正化による削減分を「(データ通信をあまり使わず、料金プランの選択肢がない)ライトユーザー向けに充当するのが妥当ではないか」とも述べた。

 これに対して、全国地域婦人団体連絡協議会の長田三紀事務局長は「MVNOを選ぶべきライトユーザーは(MVNOを)選んでいない」、立教大学の舟田正之名誉教授は「消費者にわかりやすい料金プランが必要」と述べた。
日刊工業新聞2015年10月20日 2面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
メディアもかなり注目度が高く「劇場型」の会議なった。せっかくなのでキャリア側にイエス、ノーをつきつける報告書に。

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