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携帯型の石窯オーブン。新しいライフスタイルの創出ってECには重要だよね!

文=尼口友厚(ネットコンシェルジェ CEO)従来の概念を壊した商品を開発した「Roccbox」
 これまで誰もが考えつかなかった商品の開発で新たな市場を開拓し、いままでなかった消費者のライフスタイルを創出するケースがある。

 今回紹介する「Roccbox」http://www.roccbox.com/は、石窯料理をもっと幅広い層に楽しんでもらうために作られたサイト。「Roccbox」はもともと石窯を販売していたプロフェッショナルがさらに数年掛けて石窯の構造を研究し、20kgのポータブル型の石窯を発明。小さなサイズながら500度の高温を出すことができ、一般家庭、あるいは携帯して庭やキャンプ場、川辺でも石窯ピザが味わえるようにした。

 石窯でつくったピザやパンはおいしい、というのはよく言われる話。僕自身、石窯で焼いたというパンを食べたとき、なんとも言えない香ばしさや気持ちの良い食感に驚いたことがある。

 特に薪窯(薪火の石窯)は味が良いとされ、本格的な「ナポリピザ」と名乗るためには、この薪窯で焼かなければならないそうだ。しかし、石窯はかなり大がかりな設備が必要で、家庭はおろか、レストランなどでも設置するのは容易ではなく、石窯で作った料理はそう簡単に味わうことはできない。

 「Roccbox」こうしたニーズを新たに開拓し、新たなライフスタイルの創出に成功した。同社は2013年英国にて設立。製品開発に時間がかかったため、まだプレオーダーの段階ではあるが、すでに2015年の「Virgin media」(イギリスのデジタルテレビ、インターネットなどを運営する会社)のコンテストでセミファイナリストに残るなど、大きな注目を集めている。

気軽に家に設置でき、キャンプやビーチにも持ち運びできる携帯型の石窯オーブン


「Roccbox」が注目を集めているポイント
◎家庭でも石窯を使った料理ができるという、従来の概念を壊した商品を開発
◎開発した商品が新たなライフスタイルを創出した
◎手頃な価格で、おいしく調理できる石窯を作る、というビジョンを掲げている


 「Roccbox」のラインナップは携帯型の石窯「ROCCBOX」が535ドル(約6万4000円)、1種類のみ。グリーンとチャコールの2色から選ぶことができる。

 「Roccbox」のボディ部分はステンレス・スチールが何層にも重なり、外面は外に熱が漏れないよう、シリコンのジャケットで覆われている。また、内部にはステンレススチール、シリコン、石というさまざまな素材を使用。44ポンド(約20キロ)という軽量であるため、キャンプ、ビーチ、ボート、ガーデンで使用できる。

 折り畳み式なので、収納や持ち運びに便利。車のトランクにも備え付け可能だ。通常1トンぐらいの重さがあり、動かすことのできない従来の石窯と比べて、持ち運びが可能なほど小さく、軽いことが特長だ。

 同製品は、薪とガスのどちらでも使用でき、購入時には石釜の他、ガスバーナー、ウッドバーナー、ピザピール、レシピブック、取扱説明書が付いてくる。石窯は郵便受けのような形状をしており、これにより中の料理に超高温の熱を行き届かせることができる。火を入れてから15分で500度に達するなど、携帯サイズであっても石窯オーブンとして充分な性能を備えている。

 「Roccbox」が対応している料理は幅広い。本格的な味わいのナポリ風ピザが90秒で焼けるほか、乾式加熱でステーキもキレイに調理可能だ。

 また、肉の余分な脂肪を落として、肉の表面をパリッと焼き上げたり、ローストやグリルにしたり、パンやお菓子を焼くなど、一般的なオーブンでできることは一通りできる。そして、より速く、美味しく調理することが可能だ。今後は、肉や魚を燻製調理できる専用トレイも販売予定だという。

明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
石窯って仲間感でるな~。しかもピザという結構日常で食べるもので、利用頻度も高い。目の付けどこがいい。「新しいライフスタイル」って、非日常なものを日常に近づけることなのかも。

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