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家庭用ミシンの売れ行き好調! 背景に「巣ごもり需要」

蛇の目ミシン工業は家庭用ミシンを増産する。量産型家庭用ミシンを製造するジャノメタイランド(チョンブリー県)で約780人の人員を800人後半まで増やすほか、ジャノメ台湾(台中市)でも期間工らを新たに雇用し増産体制を構築する。2拠点を合わせて2020年度下期(10月―21年3月)に約100万台の生産が可能な状態を目指す。19年度は年間で134万台の販売実績だったが、20年度は同160万―180万台に引き上げる。 生産能力強化は、新型コロナウイルス感染症の拡大による「巣ごもり需要」で家庭用ミシンが好調なことが背景にある。日本や北米では3月下旬から、欧州でも4月下旬から需要が活性化している。当初は一過性の需要で終わる可能性もあったが、現状は在庫を一掃した状況で、供給体制の強化に踏み切った。

日本では3月下旬から家庭用ミシンの需要が活性化(東京都八王子市の蛇の目ミシン本社)
7月からタイと台湾の生産工場で規模拡大を進めている。具体的には両工場で人員を拡充しており、タイ工場は量産型の24工程のラインが複数あり、さらに2―3ライン増やすほか、スキルに応じた人員の配置換えを行う。 台湾工場では小ロット多品種の製品を手がけている。約800人いる人員の固定率は高いため、期間工らを入れて対応する。販売価格としては10万円以下の家庭用ミシンの需要が多く、これらの生産に力をいれる。 蛇の目ミシンの家庭用ミシンの取扱数は12年度の年間207万台がピーク。業界の推測では当時、世界的にも年間1000万台が売れた。その後はマーケット全体が縮小傾向にあり、国内の市場規模も60万台を割ったという。同社もこれに合わせて生産規模を落としていたが、製品を望む顧客に応えるため方向を転換する。

日刊工業新聞2020年9月8日

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