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中堅ホームセンターがプライベートブランドを強化する事情

ロイヤルホームセンター(大阪市西区、中山正明社長、06・4391・8830)は、建築・園芸関連の職人向け商品を中心に、プライベートブランド(PB)の開発を強化する。2020年度に作業着や工具、作業靴などBツーB(企業間)商材を中心とするPB商品110種類を投入する。20年度のPB商品の売上高は前年度比約17%増の105億円を計画。プロ職人に支持されるホームセンター(HC)を目指し、他社との差別化を図る。

利益にも貢献するPB商品の企画力を強化するため、19年に買収した自動車関連工具のワールドツール(埼玉県深谷市)などの知見を持ち寄る。従来の仕入れルートを堅持しつつ、消費者のニーズを捉え自社で企画、生産にも関与できる体制作りも進める。

プロ職人向けに特化した店舗を拡大する。20年度から毎年4店舗ペースで出店し、30年度までに40店舗の新規出店を目指す。店舗運営のオペレーション強化のため、eラーニングを活用した人材育成も推進する。顧客視点での陳列や、商品の特徴が伝わりやすい広告宣伝物の制作などにも取り組む。

ロイヤルホームセンターは前身の大和ハウス工業のHC事業部発足から今年で40周年を迎える。19年度の売上高は952億円と業界で中堅クラスだが、ガーデニングや日曜大工(DIY)関連の売上高の構成比は約6割と特徴をもつ。

一方、電子商取引(EC)販売の強化は課題で「コロナ禍でEC販売の重要性を痛感した。M&A(合併・買収)も含めノウハウや人材の獲得に努めたい」(中山社長)としている。

03年以後、HC市場は約4兆円と横ばいだが、店舗数と企業数は年々増加している状況。PB商品で利益率と坪効率を上げることが求められる。同社は売上高に占めるPB商品比率を現在の10%強から10年後には30%まで引き上げる見通し。今後は毎年100種類以上のPB商品開発を目指す。

日刊工業新聞2020年9月1日

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