アルコール除菌の手荒れ防止に役立つ「インナー手袋」、ミャンマーで3倍に増産
ショーワグローブが22年春に
ショーワグローブ(兵庫県姫路市、近藤修司社長)は、ミャンマーでインナー手袋の生産に乗り出す。約2億5000万円投じて生産設備を導入し、2022年春の稼働を目指す。これにより、マレーシアの既存工場と合わせた生産能力を22年に現状比3倍へ拡大する。新型コロナウイルス感染拡大による需要増に対応するとともに、生産拠点を分散し、サプライチェーン分断時のリスク回避も狙う。
手袋の仕掛品を生産している、ミャンマー南部ヤンゴン近郊の現地子会社工場に、製造で必要な編み機や乾燥炉を複数台導入する。マレーシアとミャンマーの両国での年産能力を合計850万双に引き上げる。ミャンマーで生産したインナーは日本向けのほか、欧米などへも輸出する。
繊維で編んだインナー手袋は保湿効果に優れているため、アルコール除菌などが原因となる手荒れ防止などを目的に、ゴム手袋の下などに着用する。手袋自体からホコリが発生しにくいのが特徴で、主に生産現場や飲食店などで使われる。
新型コロナの感染防止のため、手すりやつり革など不特定多数の人が触れる部分に直接触れないよう手袋が着用されるケースが増えており、同社ではインナー手袋の需要も膨らむとみている。
同社は家庭用や産業用のビニール・ゴム手袋メーカー。ゴム手袋についても需要が拡大しており、新工場を香川県に建設し、23年春頃から国内生産を始めることをすでに決めている。
日刊工業新聞2020年8月20日