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翔んで埼玉、新1万円札、住みたい街で上位...“暑くて熱い”埼玉の秘密

翔んで埼玉、新1万円札、住みたい街で上位...“暑くて熱い”埼玉の秘密

『翔んで埼玉』 (C)2019映画「翔んで埼玉」製作委員会

先日、埼玉県内で最高気温が40度Cを超えた。やはり埼玉は暑い。いや、暑いだけでなく、ここ数年の埼玉は“熱い”。映画『翔んで埼玉』がヒットし、新1万円札の肖像画に県出身の渋沢栄一が採用され、関東の住みたい街ランキングで埼玉の都市が続々とランクイン…。

個人的にこの地で感じるのは“そこそこ都会・そこそこ田舎”という絶妙なバランス。たまに道の駅に立ち寄ると地場の農産品が驚くほどの安値で並ぶ。ほかの地方も同じだろうと言われそうだが、他県は人口が少なく、東京など大消費地に販路を求めなければならない。

埼玉県の人口は全国5位、人口密度は4位だ。地元にそこそこの大消費地があり、供給側は地場で安定的に低コストで販売でき、消費者はお得に購入できる。その需給バランスが絶妙なのだ。

都心から等距離にある神奈川や東京・多摩より地価が割安で、その分店舗なら広く、価格もお手頃。大駐車場を備えた巨大ショッピングモールは埼玉発祥とも言われる。

コロナ禍による在宅勤務の普及で郊外の住宅の人気が高まっている。昼間は外出できないから、40度C超えの酷暑も耐えられる。「暑くて熱い」埼玉を見直す機運を歓迎したい。

日刊工業新聞2020年8月17日
小川淳
小川淳 Ogawa Atsushi 編集局第一産業部 編集委員/論説委員
僕も埼玉県出身なのですが、以前は「ダサイタマ」と腐されて、自嘲気味な県民性でしたよね。でも自嘲できるというのはどこかに余裕があるからかもしれませんし、だからこそ『翔んで埼玉』なんて映画を喜んで受け入れていたり。個人的には、埼玉がそうした自嘲・自虐から自信を口にするようになったのは「浦和レッズ」と「さいたま新都心」の誕生だったと思います。

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