スパコンで原子炉シミュレーション、温度や流れ場をリアルタイムで可視化
日本原子力研究開発機構は、スーパーコンピューター上での大規模な原子炉シミュレーションをリアルタイムで可視化する技術を開発した。シミュレーションと同時に可視化処理する。スパコンの高性能化で計算データが巨大となり、従来手法ではデータ出力から可視化まで数日かかっていた。ソフトは同機構のウェブサイトに公開。原子力分野のほか、気象・海洋やプラズマ物理、流体解析などに適用でき、多分野での活用が見込まれる。
スパコンによる原子炉の複雑なシミュレーション結果の理解には、計算データにコンピューターグラフィックスで着色などして可視化する必要がある。
だが、大規模シミュレーションでは出力する計算データがペタバイト(ペタは1000兆)規模となり、データ出力、転送、可視化処理に数日かかる。
そこで、スパコン上でシミュレーションと同時に可視化処理するソフトウエア「In―Situ PBVR」を開発した。
粒子によりデータを表示する3次元数値データ可視化手法を使うことで、可視化処理を従来の約100倍に高速化。また、圧縮した可視化データのみを出力するため、データ転送量を約10億分の1まで減らせた。
これによりスパコン上で時間とともに変化する温度や流れ場などをリアルタイムで見られるようになった。シミュレーション実行時に色などの可視化パラメーターを調整でき、計算途中の様子も等値面、断面など求める手法で可視化できる。
同機構システム計算科学センターのサイトでオープンソースソフトウエアとして公開している。