ニュースイッチ

トイレ洗浄商品に熱視線!盛り上がる在宅勤務需要

変わるトイレ掃除

トイレクリーナーが高機能化してきた。泡で便器をまるごと掃除する製品が開発され、ブラシでこするという従来のトイレ掃除の概念が変わりつつある。また、汚れがつくのを防止する技術や子どもでも手軽に扱えるスプレーも登場。誰にも任せられる家事になりつつある。在宅勤務が普及しつつある今、日用品各社はこまめなトイレ掃除を推奨し、快適な“おうち時間”を提案する。(門脇花梨)

【ワクワクを体験】

「ブラシですらさわりたくない、というニーズに応えた」。アース製薬マーケティング総合企画本部ブランドマーケティング部の佐藤博之ブランドマネージャーは、開発背景を明かす。同社はトイレに入れるだけの洗浄剤「らくハピ いれるだけバブルーン トイレボウル」を販売中だ。

便器に1袋分の薬剤を投入すると、泡が便器の縁まで盛り上がって掃除してくれる。ブラシでこする作業が不要で、むしろこするのが不可能な排水口の奥も掃除できるという。計量作業も不要だ。

大量の泡が便器の奥から出てくる様子は見た目にも楽しい。子どもと一緒に掃除を楽しむこともできる。「嫌な家事」を楽しくすることで、自主的に掃除する環境を作る。

花王は便器内外の拭き掃除に使えるクリーナー「トイレマジックリン消臭・洗浄スプレー」を販売する。用を足す前の噴霧も提案している。落ちにくい汚れがつくのを予防できるという。

同スプレーは、花王の独自技術「超親水化技術」を搭載している。スプレーすると便器の表面に水が均等に広がる技術だ。しつこい汚れは、便器表面の細かい傷に汚れが付着することで起こる。均一に広がる水滴でこの傷を覆えば、汚れが付きにくくなる。

ホームケア事業部の名取陽祐商品開発リーダーは「便器に座る前にスプレーする習慣をつければ、ブラシ掃除をやめられる。きれいになるワクワクを体験してほしい」と話す。

【子どもも使える】

ライオンは、子どもも使える拭き取りスプレー「まめピカ」を販売する。ボトルがコンパクトで、子どもの手にフィットする。トイレットペッパーも崩れにくいという。

デザインもかわいらしく、手に取りやすい。誰でも使える仕様とし、汚したらすぐ掃除する、を習慣化する。リビングケア事業部の海上瑠奈さんは「汚した人が掃除すれば汚れはたまらない。“まめピカして”を家族の合言葉にしてほしい」と笑顔をみせる。

ライオンによると、新型コロナウイルスの流行の影響を受け、トイレ用洗剤の販売は3―5月に前年同期比約10%増と2ケタの伸びを示したという。トイレ掃除が「簡単で楽しい」と認識されれば、習慣化に結びつく。収束後も成長が見込める。

ただ、汚い場所の掃除であることに変わりはない。より接触機会の少ないクリーナーの開発が、トイレ掃除習慣化へのカギとなりそうだ。

編集部のおすすめ