家に水道設備がない途上国向け手洗い器、1台2ドルで生産
LIXILが開発
LIXILグループは23日、家庭に水道設備がない途上国向けに手洗い器を開発したと発表した。ペットボトルとせっけんがあれば衛生的に手洗いができ、新型コロナウイルス感染防止に貢献できる。9月までにインドで生産して発売し、2021年初旬までに他国でも生産する。製造費は1台2ドル(約200円)で済み、途上国でも生産・販売しやすい。瀬戸欣哉社長は「(手洗い設備がない途上国に)大きなソリューションを提供できる」と期待する。
開発した「SATO Tap」はプラスチックの部品二つを組み合わせ、水の入ったペットボトルを載せると手洗い器になる。ノズルを倒すと水が出て手洗いができる。同社は100万ドル(約1億円)を拠出し、インドで50万台を生産する。「コロナ感染から救いたい企業なら、誰とでも組む。市場を独占しない」(瀬戸社長)とし、生産や販売などで協力する企業を募り、普及を急ぐ。
途上国を中心に世界で約30億人が手洗い設備のない環境で生活しているという。途上国でも最低限の水とペットボトルは入手しやすいことから、同社はSATO Tapを開発した。
日刊工業新聞2020年6月24日