トヨタが中国で早くも復調、今年の生産台数はひょっとしたら計画超えも!
トヨタ自動車が2020年(暦年)の中国生産について、当初計画の153万台規模まで挽回生産する計画であることが分かった。新型コロナウイルスの感染拡大で、1月下旬から現地工場の稼働を止めたが、3月末に操業を再開。足元の新車販売の復調を受け、6月から当初計画より10%以上の増産に乗り出したもようだ。世界生産の約15%を占める主要市場での再始動で、世界販売の回復に弾みをつける。
20年の中国生産は前年比9・3%増の153万台に設定していた。新型コロナの影響で現地工場は約2カ月休止したが、足元で150万台超えの生産を計画。6月から当初計画比で10%以上の増産に踏み切り、状況次第では当初計画を上回る可能性もある。
トヨタは現地企業との合弁で中国国内に4車両工場を持ち、セダン「カローラ/レビン」やスポーツ多目的車(SUV)「RAV4」、小型車「ヤリス」などを生産。2月末には電気自動車(EV)の新工場を天津市に建設する計画が明らかになるなど、生産体制の増強を進めている。
トヨタは5月の中国新車販売台数が前年同月比20・1%増の16万6300台で着地し、2カ月連続で前年実績を上回った。需要回復が顕著なことから挽回生産を決めた。19年も前年比11%増となる162万台を販売。市場全体が約8%の落ち込みとなるなか、堅調に推移していた。
21年3月期のグループ総販売台数(日野自動車、ダイハツ工業含む)は前期比155万台減の890万台を見込むが、中国の販売増を足がかりに世界販売の回復につなげる。
中国汽車工業協会によると、5月の新車販売台数は前年同月比14・5%増の219万4000台となった。ただ、感染第2波が発生した場合、20年は前年比2割程度の減少になるとの見方もある。感染が再び拡大すれば、トヨタの生産計画も変更を迫られそうだ。
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