ダイキンが大阪・梅田の新たなランドマークに本社移転、拠点集約で攻めの体制へ
ダイキン工業は2022年末、大阪の中心地である梅田地区に開業する「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」(大阪市北区)に本社を移転する。新型コロナウイルス感染拡大による景気悪化局面にあるが、空調機器市場は新興国を中心に成長が期待できる。新本社に大阪市内や近郊に点在する拠点の集約を検討しており、本社部門の業務効率化を進める一方、中長期を見据えた攻めの体制を固める。
ダイキンは新型コロナウイルス感染拡大の影響で21年3月期連結業績を11期ぶりの減収・営業減益と予想するが、20年3月期まで7期連続で過去最高の売上高を更新してきた。そのため1987年から入居している現本社(同)は、成長に伴う従業員数の増加で手狭となっており、拠点も分散していた。
新型コロナによる景気悪化に対し、固定費を抜本的に削減する一方、設備投資や研究開発費は従来計画を変えない。新本社を司令塔に製品開発を加速、感染拡大収束後を見据えた成長戦略を進める。
移転先のビルは地上38階建ての高層ビル。阪急阪神ホールディングス傘下の阪神電気鉄道と阪急電鉄が、近接する二つのビルを建て替え22年に開業する。大阪の中心地でJR大阪駅にも近い。
本社移転は24年に迎える創業100周年に向けた記念事業の一つでもある。記念事業では、東京都港区の東京支社移転や、長野県の軽井沢にVIP向け迎賓施設を設置することなども検討している。