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イオン「トップバリュ」をアジア展開。“ボーダレスPB”は広がるか

マレーシアから日本、次は中国、ASEANでの展開も検討
イオン「トップバリュ」をアジア展開。“ボーダレスPB”は広がるか

イオンはまずハラル認証のPBをアジアで拡大

 イオンはプライベートブランド(PB)「トップバリュ」の本格的なアジア展開に乗り出した。イオントップバリュマレーシアが中心となって日本で販売を始めたイスラム教徒向けのハラル認証のトップバリュについて、今後は中国や東南アジア諸国連合(ASEAN)のイオン店舗での販売も検討。ハラル認証以外の食品や非食品にも拡大する。マレーシアでは日本製のトップバリュの販売も始めており、今後アジアでボーダーレスなPBの流通を目指す。
 
 日本で販売を開始したハラル認証の商品はカップ麺やインスタントコーヒー、調味料や飲料など147品目。ハラル認証機関で認証を受けた商品だ。同社によると、日本のイスラム教徒は約15万人おり、国内のハラル商品市場は約1100億円ある。国内でもハラル認証食品の購入はできるが、購入場所が限定されるうえ、価格も高いという。

 最近ではイスラム教徒の訪日外国人が増加し、滞在中のハラル食品に対する需要も増えている。このためマレーシアで集中的に生産・輸入して、スケールメリットを引き出して価格を抑える。

 ハラルPBの展開店舗も当初は関東圏の25店とネット通販で開始するが、今後はイオンの総合スーパー(GMS)だけでなく、食品スーパーや、まいばすけっとなど小型店での取り扱いを検討する。ハラルPBについては日本以外では、中国やASEANのイオンの店舗のある国でも販売を検討する。

 一方、マレーシアには日本で製造したPB「トップバリュ」の輸出を始めた。うどんやそば、しょうゆなど日本産の食品を中心に、日本語表記の商品を販売している。日本の販売価格の約1・5―2倍だが、日本製に対する信頼感から売れ行きは好調だ。

 今後、イオンはPBについてマレーシアのような地産地消に加え、輸出・輸入を組み合わせて国境を越えた流通を目指す方向とみられ、食文化のボーダーレスな流通を推進することになりそうだ。
日刊工業新聞2015年10月06日 生活面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
 イオンのプライベートブランド「トップバリュ」がいよいよアジアでデビューです。アジアでも「OH!トップバリュね」と知名度が高まるか。

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