ES細胞から肝細胞、肝臓病の赤ちゃんに初移植
体のさまざまな組織になる胚性幹細胞(ES細胞)から肝臓の細胞を作り、重い肝臓病の赤ちゃんに移植したと、国立成育医療研究センターが発表した。ES細胞から作った細胞の移植は国内で初めて。赤ちゃんへの移植と肝臓病での移植は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)も含めて世界初という。
対象は生まれつき肝臓で有害なアンモニアを分解できない「尿素サイクル異常症」の赤ちゃん。生後2日目だった昨年10月に発作を起こし、同センターに搬送された。同センターは生後6日目にES細胞から作った肝細胞1億9000万個を肝臓につながる血管から注入。5カ月後に父親が提供した肝臓の一部を移植するとともに元の肝臓を摘出し、無事退院した。
日刊工業新聞2020年5月22日