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新型コロナで要件緩和、「雇用調整助成金」の支給対象は?

知って損なし! 雇用調整助成金(上)
新型コロナで要件緩和

新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた特例措置として、雇用調整助成金の受給要件が緩和された。雇用調整助成金とは景気変動や産業構造の変化などに伴う経済的理由によって、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が一時的に休業などを行う場合に、休業手当や賃金などの一部を助成するもの。受給申請のポイントについて、社会保険労務士の安藤貴裕氏に解説してもらう。

(1)制度の概要

雇用調整助成金の支給対象事業主は雇用保険適用事業所で、支給対象労働者は雇用保険被保険者となります。ただし、休業をしても休業手当を支払わなかった場合は対象外です。
 主な支給要件としては、「最近3カ月の生産量、売上高などの生産指標が前年同期と比べて10%以上減少している」ことが一つ。「雇用保険被保険者数と受け入れている派遣労働者数の最近3カ月間の月平均値の雇用指標が、一定数以上増えていないこと、前年同期に比べて、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上、中小企業以外の場合は5%を超えてかつ6人以上増加していないこと」も要件です。

さらに、過去に「雇用調整助成金」または「中小企業緊急雇用安定助成金」の支給を受けたことがある事業主が、新たに対象期間を設定する場合、直前の対象期間の満了の日の翌日から起算して1年を超えていることが必要です。
 新型コロナ対策の主な特例措置については連載2回目以降で詳述しますが、助成率が中小企業3分の2、大企業2分の1から、解雇などを行わない場合は最大で中小企業10分の9、大企業4分の3に引き上げられます。また、休業などの初日が4月1日以降の場合、生産指標の要件を10%から5%に緩和。過去に雇用調整助成金などを受給した場合、前回の支給対象期間の満了日から1年が未経過でも助成対象になります。

(2)事業主の要件緩和

設置1年未満でも助成
【Q】雇用調整助成金の支給対象となる事業主について。
【A】雇用保険適用事業所であることが要件です。労働者を1人でも雇用する事業は、その業種や事業規模を問わず、すべて適用事業となります。ただし、農林水産事業のうち一部事業は当分の間、任意適用事業とされますが、事業主が任意加入の認可を受ければ通常の適用事業と同じ扱いになります。

【Q】特例措置での事業主の要件緩和とは。
【A】事業所設置後1年未満でも助成対象とします。休業規模要件も緩和され、1カ月の所定労働日数に対する休業割合が中小企業では20分の1以上から40分の1以上、大企業は15分の1以上から30分の1以上となります。休業初日が1月24日以降のものから6月30日までの休業が対象です。

【Q】新型コロナウイルス感染症による影響とは。
【A】「取引先が事業活動を縮小し受注が減少」「市民活動が自粛され客数が減少」「風評被害により観光客が減少し客数が減少」「行政からの営業自粛要請により自主休業を行い売り上げが減少」といったものが対象です。

【Q】事業活動の縮小とは。
【A】販売量、売上高などが前年よりも一定以上減少していることです。休業などの初日が4月1日以降6月30日までの場合は、計画届を提出した日の前月の値が前年同月比5%以上減少していることが要件です。休業などの初日が3月31日以前または7月1日以降の場合、10%以上減少していることが要件となります。

【Q】休業労働者の対象も特例で広がるのか。
【A】雇用保険被保険者として継続雇用6カ月以上の人に加え、新卒など継続雇用6カ月未満の雇用保険被保険者で、内定後1日も勤務していない人まで休業対象となります。雇用保険被保険者以外の週20時間未満の学生を含むパート・アルバイトなども、休業対象です。

特例の対応期間

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