マウスの「父性」、子育て脳領域発見―交尾で攻撃性抑制し養育へ
理研、ヒトの父子関係の理解や問題解決にも
理化学研究所の黒田公美チームリーダーらは、雄マウスが子育てに目覚める仕組みを解明した。雄マウスの脳領域の中で、子供のマウスを攻撃する「BSTrh」と子育てに関わる「cMPOA」の二つの領域を発見。雌マウスとの交尾や同居などを経験することで、cMPOAが活性化しBSTrhの働きを抑える。その結果、雄マウスは子供への攻撃を止め養育するという可能性を示した。
脳に二つの部位が存在する脳領域は動物の本能に関わる部分で、ヒトなどでも同様の仕組みがあると見られる。ヒトの父子関係の理解や問題解決などにつなげられる可能性がある。成果は9月30日、国際科学誌エンボ・ジャーナル電子版に掲載された。
交尾未経験の雄マウスは子育てをせず子マウスに攻撃的だが、雌との交尾や同居で父性が目覚め子育てをするようになることが知られている。だが攻撃と養育の際に脳のどこが機能的に重要なのかは分かっていなかった。
一方、cMPOAとBSTrhの2領域の活性化状態を調べるだけで、ある雄マウスが子マウスを「攻撃する」か「養育する」といった行動を95%以上の精度で推定することに成功した。
脳に二つの部位が存在する脳領域は動物の本能に関わる部分で、ヒトなどでも同様の仕組みがあると見られる。ヒトの父子関係の理解や問題解決などにつなげられる可能性がある。成果は9月30日、国際科学誌エンボ・ジャーナル電子版に掲載された。
交尾未経験の雄マウスは子育てをせず子マウスに攻撃的だが、雌との交尾や同居で父性が目覚め子育てをするようになることが知られている。だが攻撃と養育の際に脳のどこが機能的に重要なのかは分かっていなかった。
一方、cMPOAとBSTrhの2領域の活性化状態を調べるだけで、ある雄マウスが子マウスを「攻撃する」か「養育する」といった行動を95%以上の精度で推定することに成功した。
日刊工業新聞2015年10月01日 科学技術・大学面