高齢化が止まらない…2輪市場の若年層開拓は無理なのか
2輪車ユーザーの高年齢化が進んでいる。日本自動車工業会(自工会)が実施した「2019年度2輪車市場動向調査」によると、調査対象となった新車を購入したユーザーの平均年齢が17年度比2・0歳高まり54・7歳になった。70代以上の構成比は同1ポイント増の12%でプラス。一方、30代以下は同6ポイント減の12%に低下した。自工会では2輪車市場の需要喚起を促すため、若者世代の関心の掘り起こしに力を入れているが、高年齢化に歯止めがかからない状況だ。
2輪車のタイプ別にみるとオンロードの126―250ccは同4・8歳高まり48・0歳、オンロードの251―400ccは同0・5歳高まり47・1歳となった。自工会は「30代以下のユーザーをいかに増やすかは喫緊の課題」としている。
直前使用車の使用年数は同1・0年減の5・5年と短くなった。今後2輪車を乗り続けるかといった継続乗車意向の割合は同2ポイント減の82%で減少基調。男性30―50代はずっと乗り続けたいと考える一方、60代から70代以上はあと数年で乗らなくなるといった割合が高まり、体力に自信がなくなった時に保有を止める傾向があることも分かった。
1週間の使用日数は同0・2日減の3・7日とマイナス。月間走行距離も平均では同26キロメートル減の239キロメートルでユーザーの使用状況も鈍化しつつある。購買行動においては、2輪車以外の乗り物と比較検討する割合は同9ポイント増の17%と増加し、電動アシスト自転車や軽自動車を比較検討する割合が高い。
購入理由ではスクーターは価格が手頃であることや乗り慣れていることが主な理由にあがった。オンロードは乗ったときの爽快感やかっこよさを重視する割合が高い。
19年度単年度の調査では、2輪車の貸し出しサービスの利用割合は8%にとどまり、そのうちレンタルバイクは92%、サブスクリプション(定額制)は3%と極めて少ない。カスタムできないことやサービス内容の分かりにくさがあるものの、試乗感覚で利用できることやコストを抑えるなど利用に積極的な回答もあった。
同調査は2年に1度実施。一定期間に国内メーカーの新車を購入した全国のユーザーを対象に、19年8月26日から同10月4日にかけて需要構造や使用の実態などを調査した。4967件の有効回答数を分析した。