新型コロナ影響、JR東日本の鉄道営業収入は730億円減に
山手線の朝ラッシュ時利用は通常比35%減
JR東日本の深沢祐二社長は7日都内で会見し、2020年3月期の新型コロナウイルス感染症による鉄道営業収入影響額が730億円だったと明らかにした。3月には1500億円のコマーシャルペーパーを発行し、手元流動性を高めて今後の資金流出に備えた。緊急事態宣言後の鉄道運行は「現段階で通常通りの運行」と説明し「安全安心を最優先に、感染症対策を徹底して事態収束に積極的に協力する」との方針を示した。
3月単月の鉄道営業収入は620億円の減収。消費増税に伴う料金改定分を差し引いた推計で、前年同月比37・3%減だった。優等列車の利用率は新幹線が同53%減、在来線特急が同56%減。大型連休の指定席予約は前年同期比83%減で、発売を休止している臨時列車について「予約状況を見ながら(運休を)判断する」とした。
外出自粛やテレワークの推奨などにより、山手線の朝ラッシュ時利用は通常比35%減った。3月の定期券自動改札通過数は前年同月比11%減。緊急事態宣言の発令によって「さらに(利用客が)減ることも考えられる」とし、関係機関との調整を図っていく。事業継続のための運行体制見直しを含め「検討を深めている」と話した。
緊急事態宣言後も、駅ナカ店舗については一部営業を継続する。一方でグループの商業施設「ルミネ」は都心5館で8日から緊急事態宣言が解除されるまで全館休館するほか、首都圏各店で食品ショップを除き休館する。
日刊工業新聞2020年4月8日