コロナ影響「見通せず」、自工会が国内需要予測を非公表に
日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は19日都内で開いた定例会見(写真)で、新型コロナウイルスが世界経済に与える影響について「感染のピークかどうか国によって違う。現時点で具体的に見通すのは難しい」と述べた。先行き不透明感から自工会は国内需要見通しの公表を見合わせた。だが国内経済や雇用に与える影響について豊田会長は「今後、間違いなく起こる」との厳しい見解を示した。
豊田会長は、新型コロナの経済影響を2008年のリーマン・ショックと比べ「今回は金融システムは比較的健全だ。だがリーマン・ショックは中国がけん引役となり(世界の車市場を)下支えした。今回は全世界に影響が広がり(下支え役が)期待できない」とした。
一方サプライチェーン(部品供給網)の現状について「東日本大震災を機にいかに中国から(部品を)もってくるのではなく、中国の需要に対応するためのサプライチェーンになっている。総じてリーマン・ショックや東日本大震災以降、売れるところで生産し、部品も調達するというのが当時よりも一歩進んだ」と話した。国内の生産・販売への影響について「今期よりも来期の影響が大きい。消費の落ち込みがどれぐらい長くなるかによる。今の時点での見通しは難しい」とした。
日刊工業新聞3月20日