SNSで知り合った人と「実際に会った」20%、不快な経験5%
会員制交流サイト(SNS)の利用実態とは―。情報処理推進機構(IPA)がまとめた「情報セキュリティーの脅威と倫理」に関する調査(対象5000人)によると、「SNSで知り合った人と実際に会ったことのある人」の割合は全体の20・7%だった。そのうち「実際に会って不快な目に遭ったことがある」と回答した人は5・1%と、実際に会ったことのある人の4分の1に及んだ。
SNSの魅力は意外性のある交流の広がりや、そこから得られる情報がつながる楽しさにある。だが、サイバー世界は本人を特定しにくく、なりすましなども多い。IPAでは「アカウント情報にある性別や年齢をうのみにせず、実際に会う場合は慎重な姿勢が必要」と警鐘を鳴らす。
SNSの利用ではプライベートな画像をインターネットに上げる人も多いが、想定外のトラブルになることも危惧される。例えば、アプリケーション(応用ソフト)内の機能であっても、不特定多数の目に触れる可能性や、コピーされた画像の削除が困難なこともある。さらに将来にわたり「リベンジポルノのリスクがあるなど、不用意な投稿は控えるのが賢明だ」(IPA)。警察庁によると、リベンジポルノの2019年度の相談件数は過去最多だった。
自身の性的画像をやりとりする割合は10代、20代の場合、面識のある友人・知人が相手となり、同年代の1割超だった。30代、40代では恋人などが相手で、その割合は同1割程度と、若年層とほぼ変わらないことも分かった。
SNSの利用では、パスワードの漏えいがトラブルにつながることが多い。今回の調査によると、SNSで複数のアカウントを保有する対象者のうち、パスワードを使いまわしている割合が24・4%に上った。パスワードが漏えいした場合に、被害を最小限に抑えるには、サービスごとに異なるパスワードを設定することが必要だ。