スマホを数十秒でフル充電?
静岡理工科大学など、電気自動車を5分で充電できる蓄電池を開発
静岡理工科大学の高橋久教授の知的電子制御システム研究室、JSR、東京エレクトロン、イビデンは、電気自動車(EV)を約5分間でフル充電できる蓄電システムの実用化にめどをつけた。3社が共同開発したリチウムイオンキャパシター(LIC)に高橋教授が考案した電源回路と充電アルゴリズム(計算手順)を組み合わせた充電器で充電する。スマートフォンに使った場合、コンセントにさして数十秒でフル充電できるという。量産技術を開発し、コスト低減に取り組む。
共同開発したLICは充電時に温度が上昇しないため安全性が高い。このため、スマホやEVといった幅広い機器に搭載できる。リチウムイオン二次電池に比べて急速に充放電できるほか、長寿命。20万回の充電に耐えられるため、スマホを毎日充電したとしても600年は使える計算だ。バッテリー交換の必要がないため、機器の設計自由度を高められる。
電動バイクによる実証実験では、実装されているリチウムイオン二次電池の約20分の1となる容量(47ワット時)のLICと、変換効率96%の絶縁型双方向DC/DC(直流/直流)コンバーターを搭載した。高橋教授が開発した充電アルゴリズムを用いた充電器で10秒間充電した結果、約3・4キロメートル走行できた。LICの容量を既存搭載のリチウムイオン電池の約半分の500ワット時にすると、30秒間の充電で30キロメートルの走行も可能としている。一般的なリチウムイオン二次電池の場合、充電に6時間近くかかる。
日産自動車のEV「リーフ」の場合、リチウムイオン二次電池は容量24キロワット時で、急速充電には約30分間かかる。この容量のLICを搭載し、専用充電器で充電すると約5分間と試算している。ただ、リーフの航続距離は228キロメートルなのに対し、LICは同約150キロメートルとしている。また、超小型EVに容量15キロワット時のLICを搭載した場合、3分間の充電で100キロメートルを走行できる。価格は「セルにした場合、1ファラッド(静電容量の単位)1円にしたい」(高橋教授)としている。
3社は2010年に「次世代LIC総合技術研究組合」を発足。LICは瞬時電圧低下(瞬低)対策用の電力補償装置のほか、アイドリングストップ用として一部車種に搭載されている。
共同開発したLICは充電時に温度が上昇しないため安全性が高い。このため、スマホやEVといった幅広い機器に搭載できる。リチウムイオン二次電池に比べて急速に充放電できるほか、長寿命。20万回の充電に耐えられるため、スマホを毎日充電したとしても600年は使える計算だ。バッテリー交換の必要がないため、機器の設計自由度を高められる。
電動バイクによる実証実験では、実装されているリチウムイオン二次電池の約20分の1となる容量(47ワット時)のLICと、変換効率96%の絶縁型双方向DC/DC(直流/直流)コンバーターを搭載した。高橋教授が開発した充電アルゴリズムを用いた充電器で10秒間充電した結果、約3・4キロメートル走行できた。LICの容量を既存搭載のリチウムイオン電池の約半分の500ワット時にすると、30秒間の充電で30キロメートルの走行も可能としている。一般的なリチウムイオン二次電池の場合、充電に6時間近くかかる。
日産自動車のEV「リーフ」の場合、リチウムイオン二次電池は容量24キロワット時で、急速充電には約30分間かかる。この容量のLICを搭載し、専用充電器で充電すると約5分間と試算している。ただ、リーフの航続距離は228キロメートルなのに対し、LICは同約150キロメートルとしている。また、超小型EVに容量15キロワット時のLICを搭載した場合、3分間の充電で100キロメートルを走行できる。価格は「セルにした場合、1ファラッド(静電容量の単位)1円にしたい」(高橋教授)としている。
3社は2010年に「次世代LIC総合技術研究組合」を発足。LICは瞬時電圧低下(瞬低)対策用の電力補償装置のほか、アイドリングストップ用として一部車種に搭載されている。
日刊工業新聞2013年12月4日1面