出光が全固体電池材を増強!千葉で量産実証を21年度に開始
出光興産は、次世代電池の全固体電池の主要材料となる固体電解質(写真)の量産実証設備を主力の千葉事業所(千葉県市原市)に建設し、2021年4―6月に稼働すると発表した。全固体電池はリチウムイオン電池よりも安全性向上や小型化が可能で、電気自動車(EV)への採用が期待される。研究段階から量産実証に移行し、20年代中の実用化を目指す。投資額は非公表。
主原料の硫化リチウムを他の原料と混ぜ合わせる反応装置などを備える建屋を設置する。数年間の実証で、量産時の課題克服や生産性向上を図る。実証の成果を踏まえ、EV向けの全固体電池などへの採用を目指す。
全固体電池の固体電解質は、リチウムイオン電池の電解液に当たる。全固体電池では発火リスク低下や小型化、充電時間短縮が見込める。EVの車両デザインの自由度向上に寄与することも期待される。
出光は石油需要減少を見据えて新規事業創出を目指しており、固体電解質を有望案件の一つと位置付ける。
日刊工業新聞2020年2月18日