【動画あり】ルンバ初の「D」は“ビースト”
アイロボットジャパン(東京都千代田区、挽野元社長)は、ロボット掃除機「ルンバ」の本体形状を従来の円型からD型にした「ルンバs9+」を28日に発売する。価格は16万9800円(税抜き)。
ルンバ前方に高性能センサーを搭載し、進行方向の障害物や奥行きを立体的に感知。D型にしたことで部屋の隅や壁に沿った清掃が可能になった。さらにゴムブラシを前面に配置したことで幅が30%広くなり、掃除効率が向上した。吸引モーター、吸引した空気の流れやフィルターなどを改善したことで吸引力がエントリーモデルに比べ40倍となった。
デザインには高級感と美しさを追求し、「家のどこにでも飾っておきたくなる」ロボットを目指した。本体にたまったゴミを密封型紙パックに取り込むゴミ収集機がセットになっており、ルンバ30杯分のゴミを収納できるため、ゴミ捨ての手間を削減できる。吸い込んだゴミは密封され、花粉やホコリなどの飛散を防止する。
2019年に発売された「ルンバi7」に続き、スマートマッピング機能を搭載。間取りや部屋の状況を学習することで掃除効率が向上するほか、部屋ごとに掃除計画を立てられる。床拭きロボット「ブラーバジェットm6」とも連携し、ルンバの掃除終了後にブラーバが運転開始するといった使い方が可能。
D型実現の裏には
従来、円型のルンバのみを発売してきた理由として、狭い場所に入り込んだ際に回転して脱出しやすいという点があった。しかし今回の「s9+」では前面に3Dセンサーを搭載し進行方向の障害物や状況を正確に把握、これによりD型を実現できた。床の状態を検知し、ゴミが吸引しにくいカーペットでは吸引力を高め、フローリングでは省エネと静音を実現するなど、吸引力を自動調整する。
米アイロボットのコリン・アングルCEOは「創立30年を迎えるにあたり、“ビースト”のようなパワフルさと知能、美しさを備えたルンバを開発できた。今後は他の家電やサービスと連携しスマートホームを実現していきたい」と話す。世界で累計3000万台を販売しているが、そのうち900万台がインターネットに接続されているという。米アイロボットは、Webサービスやスマートスピーカーを連携するサービス「IFTTT」とパートナーシップを締結。今年度中にシステム統合を目指している。
アイロボットジャパンは2019年に年間売上12億円を達成。売上高は前年比11%増。
ロボット掃除機メーカー別販売金額シェアにおいて、2018年から2019年でシェアを7.3%拡大し74.7%となっている。日本でのアイロボット製品の世帯普及率は2020年1月現在で6.3%。アイロボットジャパンの挽野元社長は「一家に一台を掲げており、2023年に10%を目指す」と話す。