宇宙から途上国の子どもたちに『きぼう』を!

国連宇宙部の土井さんが日本に期待すること

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ISSのロボットアームに把持された「こうのとり4号機」(JAXA/NASA提供)
 国際連合宇宙部と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の連携協力について、「素晴らしいプログラム」と話すのは、国連宇宙部宇宙応用課長で宇宙飛行士の土井隆雄さん。

 連携協力では、JAXAが国際宇宙ステーションの日本実験棟『きぼう』から衛星を放出する機会を発展途上国に提供。「途上国の宇宙科学技術が向上する」と期待する。

 一方、「放出すれば途上国にとって初の衛星になる。その成果は子どもたちの夢を育む」と、効果が技術面にとどまらない点に連携協力の価値を感じている様子。

JAXAと国連宇宙部が超小型衛星の放出で連携


 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と国連宇宙部は8日、国際宇宙ステーション(ISS)内の日本実験棟「きぼう」からの超小型衛星の放出に関して連携協定を結んだ。国連加盟国全体に対し年に1回、1辺10センチメートル程度の立方体(重量1キログラム程度)の衛星を放出する機会を提供する。国連宇宙部が衛星放出の希望国を募集し、JAXAと国連宇宙部の共同で超小型衛星を選考する。2017年にも利用の機会を提供する。

 連携期間は2018年9月までの3年間。国連のネットワークやノウハウを活用し、きぼうからの超小型衛星の利用機会を発展途上国などに提供することで、各国の宇宙技術の向上を促す。

 超小型衛星は、通信や災害低減など多くの利用例がある。今回の連携により、衛星を打ち上げる能力を持たない国々に対して宇宙空間での利用や実証する機会を提供する。

 独自のエアロックシステムとロボットアームを有するきぼうは、ISSで唯一、超小型衛星を宇宙空間に放出できる。これまでに88個の超小型衛星の放出実績を持つ。

土井さん引退会見「飛行士でやりたいことはすべてやった」


日刊工業新聞2009年7月9日付


 9月から国連職員として出向する宇宙航空研究開発機構(JAXA)の土井隆雄宇宙飛行士は8日、都内で会見し「飛行士でやりたいことはすべてやった。夢は果たせたと思っている」と述べ、飛行士引退宣言を行った。また国連宇宙部宇宙応用課長として任期2年間でウィーンに住むことについて「飛行士稼業から離れることはさびしいが、新しい職場で働くことでワクワクする気持ちも半分ある」と複雑な胸の内を明かした。

 土井さんは1985年旧宇宙開発事業団(現JAXA)に入り、宇宙を飛行することと、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」建設という二つの目標を達成。97年の米スペースシャトル搭乗時は日本人初の船外活動を行った。

 土井さんは国連職員としての転身について「新しいことに挑戦したいと思い、応募した」と話し、「(宇宙応用課は)世界中での宇宙開発の技術や成果を多くの人に役立てる仕事。例えば、発展途上国で農業生産の向上など宇宙技術を使えるように手助けしたい」と抱負を述べた。

 また飛行士としての24年間を振り返り「一番うれしかったことはISSに日本の最初のモジュール(船内保管室)を取り付けたこと」と語った。ただ、「『宇宙へ行け』と言われれば、いつでも戻ってくるつもり」とも語り、宇宙飛行士への強い思いものぞかせた。

日刊工業新聞2015年2015年09月09日/18日 科学技術・大学面

COMMENT

山口豪志
Protostar Hong Kong
董事長

こういう話はとても素晴らしいと思う。途上国の方々にも宇宙や環境、地球への関心を持ってもらうためにも良い活動だと感じる。宇宙船地球号は古い表現かもしれないが、考えるきっかりになることで本当に意識が生まれるので良い取り組みに思う。

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