陸上で最大となる15万kWの風力発電、福島で来年から建設開始!
福島県浜通り地域で計画されている陸上風力発電所群のうち、最大のプロジェクトである福島復興風力(福島市)の15万キロワットが2021年に建設を始める見通しとなった。同エリアの国有林野使用許可について、関東森林管理局(前橋市)が審議会で異議なしを答申。今後保安林解除などを含め半年程度で国有林野利用が決まれば、同エリアで計画されている風力発電が本格的に動きだす。(いわき・駒橋徐)
【各社が大型計画】
阿武隈高原のいわき市から南相馬市に至るエリアでは最大規模の福島復興風力(福島市)の15万キロワットをはじめ、JR東日本エネルギー開発(東京都港区)のグループが10万キロワット、コスモエコパワー(同品川区)のグループが10万キロワットの大型風力を計画。いわき市ではユーラスエナジーホールディングス(HD)2カ所で5万6000キロワットを計画している。このうち、福島復興風力は環境アセスメントが終了した。
【国有林の対応】
これらエリアは国有林が多く、風力発電の実現には使用認可が課題だった。福島県から静岡県までの10県を管理する関東森林管理局は、これまで風力発電に絡んだ広大なエリアの認可を審議した例がない。だが審議の結果、ユーラスエナジーHDの事業と、福島復興風力の事業を許可することで審議会が了承した。
【積雪も考慮】
今後、事業者側が正式に事業を申請。関東森林管理局は保安林解除等を決めるため、国有林利用の認可が下りるのは半年程度かかる見込み。冬季の積雪などを考慮すると、環境アセスを終了している福島復興風力の風力発電が、21年から建設に入る見通しだ。県有林に絡んだ風力事業もあり、これらも県は国有林野の解除が決まってから答えを出す方向。浜通り地域の大型風力発電は21年が建設のスタートラインとなりそうだ。
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日刊工業新聞社2020年2月4日