“国産”小型ドローンで中国勢に勝つ、自律制御システム研が投入
自律制御システム研究所は屋内外対応可能な小型の飛行ロボット(ドローン)「Mini(ミニ)」を発売した。独自開発の制御技術を生かし、小型の機体で狭小空間でも安定した飛行を実現。消費税抜きの価格は80万円とし、100万円を切る低価格に設定した。安価な小型ドローンは現在、中国製が多数を占めているが、飛行データのセキュリティー保全の見地から政府や企業の間で中国製への警戒感が強まっており、国産を強調して売り込む。
工場内の巡回警備や屋内点検、倉庫内の在庫管理などでの利用を見込む。客の用途にあわせて、アプリケーション(応用ソフト)別に各種センサーの取り付けが可能。オプションでプログラム改修を施せば、非全地球測位システム(GPS)環境での自律飛行もできるとしている。初年度100機の販売を目指す。
ドローンはヘリコプターより低空を飛ぶため、細かくデータが送れる。世界市場では中国製が大半のシェアを占めており、米国は飛行データを無断で中国に送っている可能性があるとして警戒を強めている。
ドローンが検査点検する対象は発電所や橋、ダムなどのインフラが多い。海上保安庁も中国製ドローンの調達禁止措置をとっている。ミニは国産プログラムを使うことで、データセキュリティー上の安全を確保した。
プロペラ展開寸法は704ミリメートル、バッテリー込みの重量は3・15キログラム。前方にある物体との距離を一定に制御することで、狭い場所の飛行で大きなリスクとなる衝突回避機能を実現した。6個の衝突回避センサーも搭載する。
日刊工業新聞2020年1月29日