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東京五輪で広がるテレワーク導入の機運、試行企業の実情

東京五輪で広がるテレワーク導入の機運、試行企業の実情

写真はイメージ

ミクニは今夏、東京本社の従業員を対象に、テレワークを試行する。東京五輪・パラリンピックの開催に伴い、通常の通勤が難しい恐れがあるため自宅や自宅近隣での勤務を認める。実施に向けて、従業員が保有するパソコンやスマートフォン、タブレット端末などIT機器の状況を把握・管理し、一部には社用として機器の配布も検討する。将来は、働き方改革の一環としてテレワークを選べるように検討する。

ミクニの東京本社には営業部門や企画部門などがあり、社員数は約100人。同社が東京本社全社をテレワークの対象にするのは初めて。ただ、五輪開催中も通勤に支障が出ない社員もいることや、IT機器の保有状況を鑑みると、実際の対象者は数十人程度になるとみられる。

社員には自宅やシェアオフィスなどの利用を促す。テレワーク導入に当たり、各人の作業を点検し、間接部門の業務をより効率的にできるように見直す。また東京本社と連携する国内外の生産拠点で、業務に支障が出ないような業務フローを検討する。

さらに通信環境の点検や勤務状況を把握できる体制づくりにも着手する。スマートフォンを持っていない従業員はどのようにテレワークに対応するかなど、試行に向けた課題解決や詳細は今後詰める。五輪期間中のテレワークの実態を踏まえその効果を検証し本格採用を検討する考え。

トヨタ自動車やリコーなど都内にオフィスを構える大企業は五輪期間中のテレワークをすでに表明している。政府は東京都などとも協力して交通混雑の緩和に向け「テレワーク・デイズ」を実施しており、五輪期間中は他の大企業や中堅企業にもテレワークが広がりそうだ。

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