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スバル「電動化と走り」の両立、カギは水平対向と車体制御の相乗効果だ!

スバル「電動化と走り」の両立、カギは水平対向と車体制御の相乗効果だ!

初公開されたEVのデザインコンセプト車

2030年までに全世界の車両販売台数の40%以上を電気自動車(EV)とハイブリッド車(HV)にすることを決めたSUBARU(スバル)。提携先のトヨタ自動車の「ストロングHV」の技術を20年代中にスバル車に導入する。これに加え水平対向エンジンをモーターでアシストするハイブリッドシステム「e―BOXER(イーボクサー)」、EVの三つの電動車を用い、各市場に合わせた環境対応を加速する。

30年代前半には、生産・販売するすべてのスバル車に電動技術を搭載し、50年には「ウェル・ツー・ホイール(W2W、油田から車輪まで)」で新車平均の二酸化炭素(CO2)排出量を10年比で90%以上削減する計画。HVに最適なエンジンの開発も進める。

中村知美社長は「提携などを活用し基幹技術の開発を加速する。個性と技術革新の両面で脱炭素社会に貢献する」という。

スバルは19年にトヨタからの追加出資を受け入れ電動化などの新領域での共同開発を強化する業務資本提携を締結。20年代前半にもトヨタと共同開発する中・小型のEV専用プラットフォーム(車台)を採用した初のEVをCセグメントで投入する。同日試作車を初公開した。18年には米国でトヨタの技術支援を受け同社初のプラグインハイブリッド車(PHV)を発売するなどトヨタの技術を取り入れながら電動化対応を進めてきた。

日刊工業新聞2020年1月21日
中西孝樹
中西孝樹 Nakanishi Takaki ナカニシ自動車産業リサーチ 代表
膨大な量のプレゼン資料には、過去の成功体験の振り返り、「つまずき」、「再建」、「CASE時代のSUBARUらしさ」、それを支える技術体系を網羅する意気込みを込めた内容があった。分かりやすく電動化率に焦点が当たるが、世界規制環境を考えれば、ある意味当たり前なこと。大切な課題は、事業継続を可能とするコスト効率の確立と、 電動化の中、SUBARUらしい走りの魅力がいかにに両立できるかだ。水平対向電動ユニットとSGP車体制御技術の相乗効果にその答えがあるのだろうが、現時点では詳細は見えていない。

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