営業マンの経験生かし、酒と地域を売る最北端の酒蔵―国稀酒造
【連載】旅行先で日本酒を一杯。(4)
日本最南端の第三回の次は、日本最北端の酒蔵をご紹介。
国稀(くにまれ)酒造は日本最北の酒蔵だ。1997年に入社した6代目社長の林眞二は旧態然としていた酒蔵に新風を吹き込み、観光客の誘致にも手腕を発揮している。東京出身で元大手電機メーカーの営業マン。創業家の長女で取締役の花織夫人と結婚したことから、酒蔵の経営者に転身。マーケティングセンスを生かし、改革を進めてきた。
主に地元住民向けの「国稀」の品質引き上げ、札幌の飲食店向けに高級酒「北海鬼ころし」を投入といった施策が成果を上げ始めたころに林は入社。林は「増毛という地名と国稀というブランドが一体化しているのが強み」と直感し、「お酒とともに地域を売っていく」方針を打ち出した。
札幌から鬼ころしを買いに来る客が増えつつあったが、受け入れ態勢が未整備。そこで99年から近代化5カ年計画を始動した。古い雰囲気に溶け込む新社屋を建設し、設備を増強。売店と駐車場を整備し、工場の一部を見学できるようにした。その結果、年間の来客は4万人から13万人に増え、生産量は倍増した。
この集客力を生かそうとする林の呼びかけに応え、飲食店や土産屋など10店程度が周辺に出店し、観光エリアが形成された。「今後は増毛の農産物を活用し、清酒以外の酒類を製品化したい」と観光振興に一層貢献すべく、新たな名産品の開発を模索していく。
(敬称略)
◇所在地=北海道増毛町稲葉町1の17
◇創業=1882年(明15)
【看板商品】
「北海鬼ころし」
アルコール度数=17%以上18%未満
味わい=香り高い超辛口
新社屋整備で生産倍増
国稀(くにまれ)酒造は日本最北の酒蔵だ。1997年に入社した6代目社長の林眞二は旧態然としていた酒蔵に新風を吹き込み、観光客の誘致にも手腕を発揮している。東京出身で元大手電機メーカーの営業マン。創業家の長女で取締役の花織夫人と結婚したことから、酒蔵の経営者に転身。マーケティングセンスを生かし、改革を進めてきた。
主に地元住民向けの「国稀」の品質引き上げ、札幌の飲食店向けに高級酒「北海鬼ころし」を投入といった施策が成果を上げ始めたころに林は入社。林は「増毛という地名と国稀というブランドが一体化しているのが強み」と直感し、「お酒とともに地域を売っていく」方針を打ち出した。
札幌から鬼ころしを買いに来る客が増えつつあったが、受け入れ態勢が未整備。そこで99年から近代化5カ年計画を始動した。古い雰囲気に溶け込む新社屋を建設し、設備を増強。売店と駐車場を整備し、工場の一部を見学できるようにした。その結果、年間の来客は4万人から13万人に増え、生産量は倍増した。
この集客力を生かそうとする林の呼びかけに応え、飲食店や土産屋など10店程度が周辺に出店し、観光エリアが形成された。「今後は増毛の農産物を活用し、清酒以外の酒類を製品化したい」と観光振興に一層貢献すべく、新たな名産品の開発を模索していく。
(敬称略)
◇所在地=北海道増毛町稲葉町1の17
◇創業=1882年(明15)
【看板商品】
「北海鬼ころし」
アルコール度数=17%以上18%未満
味わい=香り高い超辛口
日刊工業新聞2014年03月05日 列島ネット面