「京アニ」放火被害者に無償提供、ケロイド予防の圧迫装具
京都アニメーション放火事件から半年。ワールドブレース(愛知県春日井市、石井寛隆社長、0568・52・3535)が同事件の被害患者に無償提供した、火傷痕がケロイドになるのを予防する圧迫装具(写真)が注目されている。
「火傷痕との戦いは想像以上に厳しい」。石井社長がこう強調するように、火傷痕は傷自体は癒えても皮膚が盛り上がるケロイドや肥厚性瘢痕(はんこん)になる恐れがある。その予防法の一つが圧迫療法だ。一般的に包帯を使用するが圧を均一にかけにくかったり、黒ずみの原因となる紫外線(UV)の遮蔽(しゃへい)効果が薄かったり課題も多い。
ワールドブレースの圧迫装具は透けない水着をヒントにした特殊な生地を採用し、国際的なUV保護指数「UPF」は最高値の50プラス。均一に圧をかけられ、滑らかな素材のため患部への刺激も少ない。
患者ごとに石こうでかたどりする完全オーダーメード品。保険適用外だが年間約70人のペースで受注している。(名古屋)
日刊工業新聞2020年1月14日