デンソーの「CASE」シフトが止まらない
デンソーは1月1日付で自動運転やコネクテッドカー(つながる車)を手がける専門部署を新設する。競争が激化するCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)領域の競争力を高める狙い。専門部署で全社のCASE戦略に横串を通し、開発・営業の効率化につなげる。
自動運転ではMaaS(乗り物のサービス化)分野の深耕を軸足に置く「先進モビリティシステム事業開発部」を新設する。社長直轄の組織とし、同分野のシステム開発や事業化に向けた戦略の立案、営業を担当する。
コネクテッド関連では市場のニーズ発掘や新規受注の拡大を図るため、営業グループ内に「コネクティッド営業推進室」を新設。コネクテッドシステムに必要な技術開発機能を集約した「コネクティッドシステム事業推進部」も設置する。
デンソーはCASEへの対応力を強化し、開発を加速している。2025年までに全世界のソフトウエア開発人材を、現状比約3割増の1万2000人にすることを公表。世界各地の拠点を活用し、24時間体制で大規模ソフト開発を行えるようにする。CASE向け中核部品の開発にも力を入れており、17年度から3年間で約5700億円を投資した。
日刊工業新聞2020年1月1日
デンソーがソフト開発、24時間体制へ
出典:日刊工業新聞2019年10月25日
デンソーは2025年までに全世界のソフトウエア開発人材を、現状比約3割増の1万2000人にする。自動車業界の新たな技術潮流「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」への対応力を強化し、開発を加速させる。世界各地の拠点を活用し、24時間体制で大規模ソフトウエア開発を行えるようにする。
24日に開幕した「第46回東京モーターショー」の会見で、有馬浩二社長が明らかにした。現在は約9000人がCASEに関わるソフトウエア開発に携わる。今後、インドやベトナムをはじめとした世界中の拠点で人材を拡充する方針だ。
電動化に関わる25年頃までの技術目標も公表した。例えば暖房で電力を多く使う冬期や、バッテリーを冷却しにくい夏場などを想定し、電気自動車(EV)の航続距離を25%、バッテリー寿命を20%延長し、充電時間を3分の1に短縮する。ECU(電子制御ユニット)などから発生する熱を効率的に制御、活用する「熱マネジメント」技術で実現を目指す。
有馬社長はCASEで重要なキーデバイス領域で「17年度からの3年間で約5700億円を投資した」とアピール。「EVだけでなく電動車に全方位で取り組む」と力を込めた。