TOTOの最高級トイレ、どこから見ても美しいデザインにこだわったワケ
TOTOのグローバル統一モデル「ネオレストNX」は、中国をはじめとするアジアや米国など欧州を除く地域で販売している最高級機種だ。創立100周年の2017年に便器と温水洗浄便座「ウォシュレット」の区別をなくした“真の一体型”トイレを発売した。設計コストなどの制約条件を考えずに、オリジナルでトレンドになる最高級品の開発を目指して作り上げた。
ネオレストNXは、白磁のつぼをイメージし、陶器ならではの美しさを曲線で表現。便器と樹脂製のふただけの構成で、ふたを開けても美しい便座に近づけた。ふたにはパール塗装の上から乳白色の塗装を施し、深みのあるつやを出すことによって陶器の質感を再現した。
日本ではトイレを正面から見ることがほとんどだが、海外では一般的な壁付けトイレの場合は横から見ることも多い。背面を含め、360度どの角度からみても美しいデザインにこだわった。広い空間やガラスで仕切られた空間でも設置しやすい。背面には反射機能があり、壁をきれいに演出できる。
曲線美を実現するため、陶器の上に樹脂のウォシュレットを載せる従来のウォシュレット一体型便器の構成を見直した。陶器をせり上げて、ウォシュレットの機能部分を埋め込んだ。窯で焼くと陶器は約13%縮むため、バラつきがあり部品を合わせる計算が大変だったという。
デザインは一見シンプルだが細部にもこだわり、機能性が高い。ふたの中央にヒンジを取り付け、ふたとの一体感を実現した。また便器のふちをなくすことで、死角がなくなり清掃性を向上した。便器のふちを握るように拭くだけで簡単に掃除できる。
同製品は日本で一番売れており、顧客からは「高級感や重厚感があって良い」との反応があるという。今後も清潔をテーマに掲げながら、節水を含めた環境に良い商品であるといったこれまでのスタンスを追求する。(高島里沙)