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日本の工場で、インダストリーインターネットを検証へ

富士通グループのシステムが、米標準化団体のIICから認証を取得
日本の工場で、インダストリーインターネットを検証へ

島根富士通の製造ライン

 富士通は15日、工場内のモノのインターネット(IoT)活用を推進するソリューションモデルを米インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)に提案し、テストベッド(検証用システム)として承認を受けたと発表した。富士通が自社工場で実践したノウハウに基づいてモデルを構築した。

 提案したモデルは工場の機器に装着したセンサーからリアルタイム(即時)に取得する稼働情報などと、関連する製造計画や作業実績のデータなどをクラウド上で統合。これにより工場の”見える化“を実現する。富士通アイ・ネットワークシステムズ(山梨県南アルプス市)の山梨工場(同)と島根富士通(島根県出雲市)の工場の実践とノウハウをテストベッドに反映した。

 企業はこのテストベッド上で、例えば、生産ラインの効率化に向けた分析などの付加価値機能を開発できるようになる。

 今後、富士通はテストベッドを主導し、センサーや分析アプリケーション(応用ソフト)などのさまざまな得意分野を持った複数の企業と協業。実証実験や実運用を通じて、多様なニーズに対応できるソリューションの強化を目指す。

 IICは2014年に米国で設立された産業分野におけるIoT活用のデファクトスタンダード(事実上の標準)を推進する国際的な団体。
2015年9月16日付電機面
清水信彦
清水信彦 Shimizu Nobuhiko 福山支局 支局長
 話題のIoTですが、国際標準化団体での取り組みに着々と加わって、日本発の技術やシステムの売り込みを進めていますよ、という。そういう発表です。  しかしこのテストベッドというのは、いろいろ際限なく認められるんでしょうか。それともあるジャンルならあるジャンルで1件とか2件とか、そういう感じで承認されるんでしょうか。  この記事を読むと、承認された富士通と子会社のシステムというのが、非常に普通の、正統的なシステムに見えるからです。こんなに普通の使い方をするようなシステムで、これまでテストベッドというのがなかったのか?だとしたらこれまでどんな分野での検証を進めてきたのだろう?と疑問になりました。  また、テストベッドに採用されたことで、今後どんなアドバンテージが日本勢や富士通にあるのかが知りたく思いました。

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