荷物の積み降ろしいらず小回りもきく、新型「無人搬送車」の仕組み
スキューズ(京都市南区、川田成範社長、075・694・0101)は、車輪付きの搬送物を下から抱え上げる方式で搬送する新構造の無人搬送車(AGV)を開発し、2021年度にも発売する。AGVに搬送物を移す積み降ろし工程を不要にできるほか、小回りのきく方向転換などもできる。AGV運用にあたっての設定作業を簡素化し、担当者の負担軽減を見込む。食品加工業界向けを中心に提案する。
AGVの下部の金具が、車輪付き搬送物の片方を抱え上げ、そのままの状態で移動する。最大可搬重量は200キログラム。方向転換の際に、搬送物を軸に旋回することで、可搬重量を大きくしている。
搬送物をAGVの上部に搭載するタイプは、積み降ろし作業を行うためのロボットをセットで用意する必要がある。けん引タイプはトラックのように連結した構造となるため、搬送経路がカーブする際に、十分なスペースを確保しないと回り切れないという課題があった。新構造のAGVは、こうした課題の解消が見込める。
スキューズは新構造のAGVに、独自開発の双腕ロボットもセットで提案する。両ロボットを自社一貫で手がけて、一つのロボットコントローラーで制御可能にすることで、ティーチングなどの作業負担の軽減も見込む。
日刊工業新聞2019年12月20日